カッコイイ名前ですね。ゼウス投信はアセットマネジメントOneが提供する投資信託「新光US-REITオープン」の愛称です。
ゼウス投信には大損するとの評判もありますが実際にはどうでしょうか?
メリット・デメリットや今後の見通しも含めて解説していきます。
また、個別投信については別記事でも解説していますので良ければそちらも参考にしてみて下さい。


ゼウス投信ってどんなファンド?
ゼウス投信の基本情報
まずゼウス投信の基本的な情報から見ていきましょう。
投資対象資産 | 不動産投信 |
---|---|
投資対象地域 | 北米 |
為替ヘッジ | なし |
委託会社 | アセットマネジメントOne |
受託会社 | 三井住友信託銀行株式会社 |
ゼウス投信(新光US-REITオープン)はアセットマネジメントOneが運用する投資信託です。
アセットマネジメントOneは「R&Iファンド大賞2022」で15ファンドが受賞するなど活躍している運用会社です。

運用会社の評価は上々ですね!
では、ゼウス投信はどんな所に投資しているのでしょうか。
ゼウス投信の概要
ゼウス投信の仕組みを図解します。

参照:交付目論見書
ゼウス投信(新光US-REITオープン)はUS-REITに投資する投資信託です。
US-REITはアメリカのREITです。
一般的には不動産投資信託と呼ばれ、Real Estate Investment Trustの略。投資家の資金を集めて不動産を購入し賃貸収入や売却益を投資家に分配する。小額からでも不動産投資できるのが魅力の一つ。
つまり、ゼウス投信はアメリカの不動産にお手軽に投資できる投資信託となっています。
お手軽に投資できるのは魅力の一つですね。
ゼウス投信の投資先10銘柄
それでは、ゼウス投信では具体的にどんな所に投資しているのでしょうか。
ゼウス投信の配信しているマンスリーレポートを確認してみましょう。

銘柄名 | 業種 | 組入比率 | 概要 |
アメリカン・タワー | インフラストラクチャー | 9.2% | 米国内外で無線通信基地局用の鉄塔などを保有・運営 |
プロロジス | 産業施設 | 8.5% | 企業向けに物流施設や周辺サービスを提供 |
SBAコミュニケーションズ | インフラストラクチャー | 7.6% | 米国内で通信鉄塔を運用管理 |
アバロンベイ・コミュニティーズ | 住居 | 5.5% | 住宅コミュニティの開発・再開発・運営 |
ウェルタワー | 医療施設 | 5.4% | 老人ホームや介護施設、病院、特殊ケア病院などを所有 |
インビテーション・ホームズ | 住居 | 5.3% | 戸建賃貸住宅を保有、運営 |
エクイニクス | データセンター | 4.8% | 世界各国でデータセンターを保有・運営 |
VICIプロパティーズ | 特殊施設 | 4.7% | ラスベガスや地方都市でカジノ施設を保有 |
URD | 住居 | 4.4% | 全米で集合住宅を運営管理 |
レックスフォード・インダストリアル・リアルティ | 産業施設 | 3.9% | ロサンゼルスやオレンジ郡など南カリフォルニアで物流施設を運営 |
住居やインフラストラクチャーなどを中心にバランスよく各業種に投資を行っています。
他の投資信託でも選ばれるような大手のUS-REITも多くなっています。
ゼウス投信のメリット
続いて、ゼウス投信のメリットやデメリットについても見ていきましょう。まずはメリットからです。
簡単に海外不動産への投資ができる
まずメリットの一つ目です。それは、海外の不動産に簡単に投資出来ることです。
現地に行く必要もなければ英語でコミュニケーションを取る必要もありません。
日本にながらインターネットで簡単に投資できるのは大きな魅力ですね!
不動産投資でありながら流動性が高い
普通の不動産投資ですと、一般的に流動性が低く売りたいときに売れる訳ではありません。
急に現金が必要となっても、なかなか物件が売れず困ってしまう事がよくあります。
ですが、ゼウス投信は投資信託ですので売りたいときに売れてすぐに現金化できるのがメリットです。
毎月分配金が貰える
ゼウス投信では基本的に毎月、分配金が貰えます。

参照:交付目論見書
特別分配金は偽物!?大損する理由とは
毎月振り込まれる分配金は嬉しいものですが、実は大きな落とし穴があります。
利益がきちんと出ていれば、その利益が分配されますが利益が出ない時はどのようにして分配金を支払っているのでしょうか?
目論見書に載っている正解を見てみましょう。

参照:交付目論見書
分配金が元本の一部払い戻しに相当する場合があると書かれています。
元本が払い戻されても投資したお金が返ってきてるだけです。分配金が振り込まれたからといって喜んではいけないのです。
ゼウス投信のデメリット
複利の効果が受けられないので利回りが下がる
一見嬉しい毎月分配システムは大きなデメリットになります。なぜなら「複利の効果」を得られないからです。
詳しい説明は省きますが、資産運用で効果を最大化するためには、運用で増やした利益を再投資して雪だるま式に資産を増やしていく必要があります。
しかし、毎月分配してしまうと運用の原資が大きく減少してしまうため利回りが非常に悪くなってしまうのです。
手数料が高い
手数料についても確認しておきましょう。ゼウス投信は市場平均よりも良いリターンを狙うアクティブ投信です。
同じUS-REITに投資する投資信託と比較してみましょう。
新光US-REITオープン | ダイワ・US-REIT・ネクスト(毎月分配型) | |
購入時手数料 | 3.3% | 3.3% |
運用管理費用 | 年率1.683% | 年率1.573% |
信託財産留保額 | 0.1% | なし |
同じ種類の商品と比較しても多少高く設定してありますね。
さらに、アクティブ投信の中でも「購入時手数料なし」、「運用管理費用1%」程度の投資信託も多いので、投資信託全体の中で見ても手数料は高い水準にあります。
コストパフォーマンスが悪い
高い手数料を払っているにもかかわらず、実質的な投資内容はUS-REITへの投資となります。複雑な事をやっているわけでもなく、US-REITを選ぶだけです。
さらに、分配金が支払われますが、運用が上手くいかなかった時はただ元本が返ってくるだけですし、運用効率が悪化するのでむしろ分配しないでほしいです。
その可能性も十分にあるので注意して下さい!
ゼウス投信の運用成績
ここまで見てきた限り、ゼウス投信はおすすめできません。
ですが、念のためこれまでの運用成績も確認しておきましょう。

赤い線が基準価格です。10,000円からスタートしましたが現在では2,300円まで下落しています。
とっても減ってしまっていますが、これは運用で大損した訳ではなく分配金も出しているためどんどん減ってしまっているのです。
青い線が分配金を再投資した際の基準価格で、31,000円程まで上昇しています。
仮に分配金を再投資していたら年利6.4%程度ですが、実際には税金もあるのでこれだけの利回りは実現できません。
リスクを取っている割にはあまり芳しくない運用成績となっています。灰色の純資産額を見ても大きく落ち込んでしまっていますね。
ゼウス投信の価格や今後の見通しとは
続いて、ゼウス投信の価格や今後の見通しはどうでしょうか。
ゼウス投信では毎月25円の分配金を出しています。年間では300円になります。そして、現在の基準価格は2,300円です。
分配金は13%にも上り、これだけの利益を出すのは難しいため今後も元本からどんどん分配されることになるでしょう。
本来、運用で資産を増やそうと思ったら元本を投資家に分配すべきではありません。しかし、これだけの規模で払い戻していますから運用効率はとっても悪いです。今後の運用成績に期待するのも難しいでしょう。
まとめ
ゼウス投信についてまとめてみますね。
- ゼウス投信はUS-REITに投資する
- 簡単に海外不動産に投資できるのがメリット
- ただ毎月分配型となっており運用効率は非常に悪い
- 手数料も高水準
- 分配額は大きく投資家のためになる資産運用とは言えない
- 今後の運用成績に期待するのも難しい
投資先をお探しの方は、個人的におすすめの投資先は別記事で紹介していますので良ければ下記ヘッジファンドランキングの記事を参考にしてみて下さい。