ソフトバンクの社債はこれまでに何度も発行されていますが、そのたびに高利回りで注目を集めています。
証券会社などからおすすめされた人も多いのではないでしょうか。
皆さんはソフトバンク社債にどんなイメージをお持ちですか?
こういったイメージでソフトバンク社債に投資をしようと思うのは大変危険です!マイナスになってしまう可能性があります。
ソフトバンク社債(劣後債)の危険性について解説していきますので、投資を検討している方はぜひ最後までお読みください。
また、別記事でも資産運用について解説していますので良ければそちらも参考にしてみて下さい。


ソフトバンク社債の種類を解説!
ソフトバンクとソフトバンクグループの違いとは?
ソフトバンクの社債と一言で言っても、実は2種類の会社が上場しています。
- ソフトバンクグループ(9984)
- ソフトバンク(9434)
ソフトバンクグループが親会社で、その子会社の中の一つがソフトバンクです。
図にするとこのような形になります。

参照:ソフトバンクより著者編集
ソフトバンクはYahooや携帯電話、PayPayなどを展開するIT・通信企業です。
そして、ソフトバンクグループはソフトバンクやソフトバンク・ビジョン・ファンドなど様々な子会社を持つ投資会社となっています。
個人投資家向けの社債は主にソフトバンクグループが発行する事が多いですが、2023年初めてソフトバンクからも個人投資家向けの社債が発行されました。
という訳で、それぞれの会社が発行している社債について見ていきましょう。
ソフトバンクグループの個人投資家向け社債
一般的にソフトバンク社債といえば、ソフトバンクグループ株式会社の発行する社債を指している事が多いです。
ソフトバンクグループは何度も個人投資家向けに高利回りの社債を発行しています。
最近では、以下のような条件で募集していますね。

参照:SBI証券
商品名 | ソフトバンクグループ株式会社第58回無担保社債 |
---|---|
愛称 | 福岡ソフトバンクホークスボンド |
期間 | 7年 |
利率 | 年2.84%(税引前)、年2.263%(税引後) |
申込単位 | 100万円以上、100万円単位 |
発行日 | 2022/12/16 |
満期償還日 | 2029/12/14 |
発行額 | 3,850億円 |
税引後で年2.263%とかなりの高利回りです。注目を集めるのも納得ですね。
期間は7年間です。7年ものあいだ毎年安全に2%貰えるとなれば悪くない投資に思えるかもしれません。
ですが、実際には注意が必要です。この点は追ってご説明していきます。
ソフトバンクの個人投資家向け社債
続いて、ソフトバンクが株式会社の発行する社債について見ていきましょう。
ソフトバンク株式会社は以下のような条件で募集しています。

商品名 | ソフトバンク株式会社第19回無担保社債(社債間限定同順位特約付) |
---|---|
愛称 | ソフトバンクみらい創出ボンド |
期間 | 5年 |
利率 | 年0.65%~年1.25%(税引前) |
申込単位 | 10万円以上、10万円単位 |
発行日 | 2023/3/10 |
満期償還日 | 2028/3/10 |
発行額 | 1,200億円 |
額面が10万円からとかなり小額から投資できるようになっていますね。個人投資家から広く集めるのを狙いとしているようです。
利回りも0.65%~1.25%と目を引くほど高くはないですね。
このようにソフトバンクグループとソフトバンクで社債を募集している条件は異なります。
しかし、社債で資産運用をする際に絶対に抑えるべきポイントは同じです!社債への投資でマイナスになる危険性について解説しますので一緒に確認していきましょう。
ソフトバンク社債は大丈夫?マイナスの危険性とは
ソフトバンク社債での資産運用を検討するにあたって、必ず把握しなければならないのは次の2つのリスクです。
- 途中解約のリスク
- 倒産のリスク
順番に見ていきましょう!
途中解約のリスク
これは正しくありません。残念ながらソフトバンク社債は元本保証ではないのです。
社債の元本が返ってくるのは満期まで保有した時です。途中で解約した場合は時価での売却となるのでいくらになるかは分かりません。
例えば100万円を社債に投資した時、きちんと元本の100万円が返ってくるのは満期まで保有した時だけなのです。

途中で解約すると100万円がいくらになって戻ってくるかは分かりません。
社債への投資であっても途中解約すると元本割れする可能性があるのです。
倒産のリスク
続いて、もう一つの非常に大きなリスクは倒産リスクです。
「社債に投資する」=「企業にお金を貸す」
ですので、社債を発行した企業、すなわちお金を貸している企業が倒産してしまったら当然お金も返ってきません。
社債に投資する前に、社債を発行している企業が本当に安全な企業が調査する必要があるのです!
それではソフトバンクグループやソフトバンクはお金を貸しても大丈夫な企業なのでしょうか?
分析していきましょう!
ソフトバンクグループ株式会社は大丈夫?
ソフトバンクグループは超がつくほどの大企業ですが、やっていることは投資会社です。
孫正義氏はリスクを恐れずに果敢にハイリスクハイリターンな投資を手掛けています。
その結果、業績がどうなっているか見てみましょう。

第3四半期は7,834億円の赤字となりました。ものすごく大きい赤字ですよね。第1四半期には3兆円もの赤字を計上しています。
足を引っ張っているのはソフトバンクビジョンファンド事業であり、2022年度のQ1-Q3だけでなんと5兆円もの投資損失を出しています。
とにかく確実に言えるのは、ソフトバンクグループは投資会社であるがゆえに非常に不安定な経営をしており、社債が返還されない可能性も否定できない、ということです。
そう思って投資るのは止めた方が良いでしょう。
ソフトバンク株式会社は大丈夫?
では、続いてソフトバンクはどうでしょうか?
ソフトバンクの決算ハイライトはこちらです。

参照:ソフトバンク株式会社
売上高は順調に増加しており、営業利益も7,500億円から1兆円に迫る勢いで増加しています。
さらに、営業利益率も18%程度の比較的高水準を維持しています。決してリスクが大きい訳ではありません。
しかしながら、ソフトバンク株式会社の社債は利回りが0.65%~1.25%(税引前)です。税引後ではわずかな配当にしかなりません。
もし、途中解約してしまったら容易に配当が吹き飛んでしまう事も予想されます。
やはりリスクが小さいとリターンも小さく、このリターンではあまり投資しても意味がないと言えます。
まとめ
社債は一見、安全で確実に儲かる投資に見えるかもしれません。
ですが、満期まで保有しないと元本割れするケースも見られ、決して安全・安心な運用商品ではありません。
そして、社債の発行体の倒産リスクなども踏まえると、リスクの割にリターンが小さい運用手法となっています。
結論としてはソフトバンク社債での資産運用はおすすめしません。
他にも有効な運用手法は数多くあります。個人的におすすめの投資先は下記のランキングにてまとめていますので、投資先をお探しの方は良ければチェックしてみて下さい。