今回は鎌倉投信「結い2101」の評判や投資先について解説していきます。
どうやって運用先を選んだらいいのか、なかなか難しい問題ですよね。鎌倉投信は信頼に値するファンドなのかどうなのか・・・
他の個別投信についても解説していますので良ければそちらも参考にしてみて下さい。


鎌倉投信の成り立ち
まずは鎌倉投信の成り立ちから見ていきましょう。いったいどのようにスタートしたのでしょうか?
鎌倉投信は2008年11月に現在社長を務める鎌田 恭幸氏ら4人のメンバーによって設立されました。本社を鎌倉の日本家屋にするなど際立った特徴を持って生まれた鎌倉投信は2010年3月より運用を開始しています。

参照:エコノミストOnline
鎌倉に本社を構えて、さらに日本家屋を選ぶなんてオシャレですよね。
鎌倉は武家社会が誕生し、環境保護運動が生まれ育った場所。自然や伝統を大切にする土地で、日本の良さを感じながらいろんな人とのつながりを生む金融事業を目指していきたい。
鎌倉投信には、そういった想いがあるそうです。
鎌倉投信の理念に注目
では、どのような理念で投資を行っているのでしょうか。こちらも特徴的で主に3つのポイントがあります。
①いい会社に投資する
一般的な投資信託では、運用利回りを最優先事項におきがちですが、鎌倉投信では利回りだけにとらわれず「いい会社」に投資することを目標としています。
鎌倉投信の言う「いい会社」とは会社に関わる全ての人と調和を図りながら成長する会社です。
持続的で豊かな社会を醸成できる会社に投資するのです。
②300年続く会社に100年投資する
鎌倉投信の運用方針はこれだけ壮大な設計となっています。100年の投資ですから、投資家には長く長く世代を超えても保有し続けてもらわなければなりません。
そのため、鎌倉投信は現金比率が高く約4割となっています。これでは大きな利回りを狙うのは難しいですが、価格変動リスクは抑えられます。つまり、利回りよりもリスクを抑えることを重視した運用となっているのです。
3.販売は直販のみ
多くの投資信託では様々な証券会社や銀行を通して販売するのが一般的です。ですが、鎌倉投信では直接販売のみとなっています。
これには、「鎌倉投信」、「投資家」、「投資先企業」の3者において関係性を強化したいという狙いがあります。
例えばこちらが年に一度の投資家向けの決算報告会の様子です。鎌倉投信では受益者(=投資家)総会と呼んでいます。

参照:鎌倉投信HP
結い2101の投資先を分析する
投資先の上位10銘柄
何となく鎌倉投信の特徴は分かってきましたね!さぁ、それではいよいよ個別の投資先について見ていきましょう。
まずは、投資先の上位10銘柄をのぞいてみましょう。

参照:結いだより
鎌倉投信の視点が面白いですね。いい会社と判断できる根拠を挙げています。普通の投資信託ではこういった表現はありませんから、鎌倉投信オリジナルの考えで銘柄を選んでいることが分かります。
具体的にはどういった企業になるのでしょうか。
KOA(地球のことを真剣に考える)
一番比率が多いのは長野に本社を構えるKOA株式会社です。
こちらは抵抗器を中心に取り扱う電子部品メーカーですが、地域雇用を守ると共に環境配慮にも力を入れている会社です。
その証拠に何と会社のステークホルダー(利害関係者)として地球まで挙げているほどです。

参照:鎌倉投信HP
製造業でありながら大量生産・大量消費の経営に頼るのではなく、少量多品種を扱う経営をしているのも特徴的です。
価格競争に参加するのではなく高い技術力で世界と戦っている企業であり非常に魅力的です。
カヤック(IT技術で地元鎌倉に貢献する)
株式会社カヤックは「面白法人カヤック」と名乗る一風変わった会社です。
ソーシャルゲームの開発からイベント企画やWebプロモーションなど事業の幅は広いです。

参照:カヤックHP
次々とユニークなアイディアで事業を展開しているカヤックですが、地元鎌倉への地域貢献活動にも力を入れています。
例えばスマホ用アプリ「鎌倉ごみバスターズ」を配信しており、精力的に地元鎌倉を盛り上げています。
亀田製菓(家族みんなが働く)
亀田製菓は、皆さんご存知の米菓メーカーです。誰もが一度は食べたことがあるでしょう。柿の種やハッピーターンが有名ですね。

参照:亀田製菓HP
元々は戦後間もない時期にお菓子で喜びを与えたいと新潟の亀田郷にできた農民組合がスタートです。
亀田製菓は地域の雇用を守り続けており、兄弟や親子共に亀田製菓に勤めている、という社員も数多くいます。
結い2101の手数料は高い?安い?
鎌倉投信がやっていることは大まかに分かってきましたね!続いてはファンドとしての実態を見ていきましょう。
まずは、手数料からチェックしてみましょう。
購入時手数料 | なし |
---|---|
運用管理報酬 | 純資産総額に対して年1.100% |
信託財産留保額 | なし |
初期の手数料は「なし」で解約時の手数料も「なし」です。
手数料は運用中の年1.100%となっています。他の有名な独立系投信と比較してみましょう。
鎌倉投信 | ひふみ投信 | さわかみ投信 | |
購入時手数料 | なし | なし | なし |
運用管理報酬 | 年1.100% | 年1.0780% | 年1.10% |
信託財産留保額 | なし | なし | なし |
比較してみた結果、鎌倉投信は、ひふみ投信やさわかみ投信と同程度の手数料であることが分かりますね。
鎌倉投信の手数料は一般的な水準となっています。
鎌倉投信の運用成績は何点??
それでは、いよいよ鎌倉投信の運用成績を見ていきましょう。
こちらが設定来の基準価格です。

参照:結いだより
2010年3月に運用を始めて以来、長期で見れば右肩上がりで推移し続けています。
ただマーケットが上昇している時期でもあるので、ここ3年の動きをTOPIXと比較してみましょう。

オレンジ色の線がTOPIXで+21%なのに対して、鎌倉投信は7%と大きく劣後しています。
鎌倉投信のようなアクティブファンドでは、手数料がインデックス投信より高い代わりにリターンをもたらすというのが本来の役割です。
利回りを至上命題としていない鎌倉投信においても、ここまで大きく負けているのは見過ごせない結果ではないでしょうか。
鎌倉投信はこんな人におすすめ
鎌倉投信は、純粋にリターンを追求する人にはおすすめできません。
では、逆にどんな人なら向いているでしょうか?
一番は「いい会社に投資する、という理念に強く共感できる人」だと思います。
そういった人には鎌倉投信はおすすめです。
資産運用を通して日本企業を元気にする方法
また、一般的な投資信託では、会社に投資した後はただ株を保有するだけになりがちです。
そうではなく、投資した後も強く継続的に投資先企業に働きかけたいならヘッジファンドがおすすめです。
ヘッジファンドでは、投資信託よりも全然多くの株式を保有するため(例、投資信託なら1~2%程度のところ、ヘッジファンドなら10%~50%というイメージ)投資先企業への発言力が段違いです。