一般的には、金投資のイメージは「安全」「安心」「守りの資産」といったものかと思います。
ですが、「金投資や純金積立はやめとけ」、「おすすめしない」といった意見もありますよね。
いったいどちらが正しいのでしょうか?
個人的には、金投資や純金積立は本当におすすめしないです。その理由を解説します。
他にもおすすめ出来ない資産運用について別記事で解説していますので良ければそちらも合わせてお読みください。


金はなぜ価値があるのか?
そもそも、金はなぜ人々の信頼を得ているのでしょうか?
それは、鉱物として希少であり、古くから価値のある金属として扱われ続けてきたからでしょう。
まだ貨幣に対する信頼が確立されていない時代には、金と交換できることで貨幣の信用を担保する金本位制が取られていたほどです。
それでは、あと地球上に金がどれくらい残っているかというと、全世界を合わせた埋蔵量は57,490トンと言われています。

参照:OANDAラボ
だいたい年間3000~4000トンの金が生産されますので早ければ15年くらいで金がなくなってしまう計算です。
ですが、埋蔵量はあくまで経済的に採掘することが見合う資源を指しますので、技術の進歩や価格変動により埋蔵量は変動します。
原油なんかも50年前から50年後にはなくなると言われていますがまだまだ現役です。
いずれにせよ金は希少な鉱物であることは間違いなく、これまでの経緯を見ても信頼があるので投資対象となっています。
では、金投資や純金積立は具体的にはどんなやり方で投資するのでしょうか?
金投資や純金積立はどうやってやるの?
1. 地金やコインの購入
もっとも基本的な方法は地金やコインの購入です。金といえば延べ棒のイメージがありますよね笑

金を取り扱っている会社はいくつかあり、そちらを通して購入をすれば実物の金を購入することができます。
- 田中貴金属
- 三菱マテリアル
など
ただし実物を買って自身で保管する場合は銀行の貸金庫を借りるなど追加の費用がかかってくるので注意してください。
もしくは、コインや小判であれば専門のお店がありますし最近はヤフオクなんかでも購入することもできます。
こちらはどちらかというとコイン収集などを趣味にしたい方向けかなと思います。
2. 純金積立で毎月購入
地金やコインを買うのは金額も大きいですし、やり取りも気を使います。
もう少し気軽に始めたいという方向けに「純金積立」という方法もあります。
これは月1,000円程度から積立で金投資ができる仕組みです。証券会社などが提供しているサービスですが手数料などの条件は各運営会社によって異なります。
楽天証券 | SBI証券 | 住信SBIネット銀行 | 田中貴金属 | 三菱マテリアル | |
年会費 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料~1,100円 | 無料~880円 |
最低積立金額 | 月1,000円 | 月1,000円 | 月1,000円 | 月3,000円 | 月3,000円 |
購入手数料 | 1.65% | 1.65% | 2.5% | 1.5%~2.5% | 2.6%~3.1% |
売却手数料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
さらに、月々の積立だけでなく、追加でスポット購入することも可能です。余裕資金があるタイミングで運用金額を調整することができます。
実物の金にこだわりがなければ、純金積立の方が始めやすく敷居が低い資産運用となっています。
3. 金ETFの購入
もっとお手軽にやるなら金ETFという方法もあります。
金ETFは金価格に連動するように設計された商品です。ETFですので、小額から始められますし、他の株式などのETFと同じようにリアルタイムで取引することも可能です。
金ETFには例えば次のようなものがあります。
- NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信
- SPDR ゴールド・シェア受益証券
- 純金上場信託(金の果実)
- WisdomTree金上場投資信託
- One ETF 国内金先物
選択肢が多く、お手軽に投資できるのは魅力ですね。
一般的に金投資がおすすめされる2つの理由
それでは、ここで世間的に金投資がおすすめされる理由について見ていきましょう。
1. 何かあった時のリスクヘッジ
金はよく安全資産だと言われます。
なぜなら、不景気な時や世界情勢が不安定になった時など、株式などの価格が下落しても有事の際は金価格が上がると言われているからです。
一般的に言われていることではありますが、最近の傾向はどうでしょうか。2020年のコロナショックの時を見てみましょう。

参照:三菱マテリアルHPより著者編集
コロナショックのタイミングで下落した後、上昇して再び下落しており概ね株式市場と同じような傾向を示しています。
マーケットと連動した動きをしていては、期待されていたリスクヘッジの役割を果たせていないかなと思います。
これまで金のメリットとして言われていた、「金は安全資産」という認識を安易に信じてはいけないと言えます。
2. 金の価値はなくならない
また、例えば株式であれば、株を発行している会社がつぶれてしまえば株の価値は0円になってしまいます。
ですが、金はそもそもが希少な鉱物であるため価格が下落しても0にはなりません。
これは良く言われるメリットで、確かに一理あると思います。
ただ、だからといって金がいつも安全かというとそういう話ではありません。
これまでの金価格の推移を見てみましょう。

参照:三菱マテリアルHP
1978年以降の44年間で200ドル弱から2000ドル近くまで上昇しており、10倍に達するほど大きく動いたことになります。
金は安全と聞くと、値動きが安定しているようなイメージを持ってしまいますがそんなことはありません。
金の価格変動は大きく、値下がりして損失が発生するリスクも十分にある事は理解しておきましょう。
続いて金についてよく言われるデメリットも確認しておきましょう。
一般的に言われる金のデメリット
配当がない
株式であれば株価の値上がり益とは別に配当が貰えることが一般的です。
しかし、金投資ですと配当はないため、利益を得るためには金価格の値上がりに期待するしかありません。
リアルタイム取引ができない
金ETFであればリアルタイムで取引ができますが、それ以外の投資手法だとリアルタイムでの取引はできません。
すぐに売却して現金化できることは重要な要素の一つですので、それが難しいのはデメリットとなります。
大きなリターンが出にくい
株では企業が企業努力によって業績を伸ばしていけば、2倍、3倍、・・・10倍というように大きなリターンが期待できます。
しかしながら、金は金自体の価値が絶対的に上昇することはなく、あくまで他の資産との相対的な関係で価格が決まっていきます。
そのため、価格が急上昇することは起こりにくく、大きなリターンは期待し辛いと言えます。
私が金投資をおすすめしない3つの理由
それには決定的な3つの理由があります。
1. 株式と異なり成長しない
繰り返しになりますが、株式と異なり金自体が成長する可能性がないのは大きなデメリットです。
構造的に高いリターンが期待できないので、金投資や純金積立はおすすめしないです。
2. 過去の実績を見ても金はその他の投資に劣後
金が優れた投資先でないのはこれまでの歴史からも明らかです。
運用資産ごとに比較した、これまでの実績を見て下さい。

- 株式6.7%
- 債券3.5%
- 短期証券2.7%
- 金0.6%
- 米ドル-1.4%
株式が金を大きく上回っています。金はその他の運用資産に負けておりわざわざ選ぶ意味はないかなと思います。
3. とくに実物の金はおすすめしない
さらに、金投資の中でもとくに実物の金はおすすめできません。
なぜなら、金を換金できないケースが発生しているからです。中でも海外製の金が買い取ってもらえません。
例えば、スイスのUBSやクレディスイス、オーストラリアのパー・スミントなどです。
なぜ換金できない事態が発生しているかというと、金は密輸が問題になっており、密輸された金が換金されないように経産省や財務省から圧力がかかっているためだと言われています。
せっかく安全だと思って購入した金が買い取ってもらえなかったら何のために買ったか分かりませんよね。
やはり金投資はおすすめしないです。
おすすめの資産運用とは
では、何で資産運用するのが一番良いのでしょうか。
もちろん、個人の目標や状況にもよるのですが、プロに任せた資産運用をしたいならヘッジファンドがおすすめです。
ヘッジファンドは富裕層専門のサービスで、投資家の代わりにハイレベルな資産運用をしてくれます。
優秀なヘッジファンドであれば利回り10%~も期待できます。
ヘッジファンドの詳細については下のランキング記事でも紹介していますので、投資先をお探しの方はぜひそちらも参考にしてみて下さい。