キャピタル世界株式ファンドは全世界の株式に投資するアクティブ型の投資信託です。
投資先として良いのか悪いのか気になりますよね!
キャピタル世界株式ファンドの中身を分析しておすすめできるのかできないのか明らかにしていきます。
また、他にも個別投信について解説していますので良ければそちらも合わせてお読みください。


キャピタル世界株式ファンドってどんな投資信託?
キャピタル世界株式ファンドの4種類
キャピタル世界株式ファンドには4種類あり、好きなものを選ぶことができます。
- キャピタル世界株式ファンド
- キャピタル世界株式ファンド(限定為替ヘッジ)
- キャピタル世界株式ファンド年2回決算(分配重視)
- キャピタル世界株式ファンド年2回決算(分配重視/限定為替ヘッジ)
これらは基本的に中身は同じです。ただ為替ヘッジあり・なしと分配金のある・なしで4種類に分かれています。
- 為替ヘッジなし・分配金なし
- 為替ヘッジあり・分配金なし
- 為替ヘッジなし・分配金あり
- 為替ヘッジあり・分配金あり
今後米国の金利上昇に伴い円安傾向となるでしょうし、分配金がない方が複利で運用でき運用効率が良いからです。
キャピタル世界株式ファンドのコンセプト
続いてキャピタル世界株式ファンドのコンセプトについて見ていきましょう。
キャピタル世界株式ファンドは全世界の株式に投資するアクティブ型の投資信託です。
なぜ全世界の株式に投資するかというと、長期で見れば全世界株式はこれまで順調に右肩上がりで成長してきたからです。

2001年末からの20年間で見ても約4.5倍に成長しています。
これまでも成長を続けてきたし、今後も成長を続けていくと考えているので、キャピタル世界株式ファンドでは全世界への株式に投資しています。
キャピタル世界株式ファンドを運用しているのは誰??
そんなキャピタル世界株式ファンドを運用するのは、アメリカの超大手の資産運用会社であるキャピタルグループです。
キャピタルグループは1931年にアメリカのロサンゼルスで設立されました。
その純資産残高は271兆円で米国籍アクティブ・ファンドの運用会社別ランキングで見事1位となっています。

あのフィデリティやバンガードよりも多いのだから驚きですよね。本当に超巨大な運用会社となっています。
キャピタル世界株式ファンドの手数料
ここで手数料についても確認しておきましょう。
キャピタル世界株式ファンドの手数料はこちらです。
購入時手数料 | 3.3% |
---|---|
信託報酬 | 年1.701% |
信託財産留保額 | なし |
決して安くはないですが特別高いということもないです。アクティブ型の投資信託としては一般的なお値段かなと思います。
キャピタル世界株式ファンドの投資先10銘柄
ここまででキャピタル世界株式ファンドがおおまかに何をやっているかは分かってきました。
次はいよいよキャピタル世界株式ファンドの中身に迫っていきましょう。
投資先の上位10銘柄はこちらです。
(2022年6月30日時点)
銘柄名 | 国名 | 業種名 | 比率 | 概要 |
テスラ | 米国 | 一般消費財・サービス | 5.2% | 電気自動車と関連部品の製造・販売。 |
マイクロソフト | 米国 | 情報技術 | 4.2% | ソフトウェア製品の開発・製造ライセンス供与。 |
アルファベット | 米国 | コミュニケーション・サービス | 2.9% | グーグルを傘下に置く持株会社。 |
台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング | 台湾 | 情報技術 | 2.6% | 世界最大級の半導体受託製造企業。 |
メタ・プラットフォームズ | 米国 | コミュニケーション・サービス | 1.8% | フェイスブックやインスタグラムなどを運営。VRにも注力。 |
ASMLホールディング | オランダ | 情報技術 | 1.7% | 世界的な半導体製造装置メーカー。 |
アマゾン・ドット・コム | 米国 | 一般消費財・サービス | 1.4% | オンライン小売事業のほか企業向けにクラウド・サービスも提供。 |
アストラゼネカ | 英国 | ヘルスケア | 1.4% | 英国大手製薬会社。循環器疾患やがん領域の分野で高いシェア。 |
AIAグループ | 香港 | 金融 | 1.4% | 保険及び金融サービス会社。 |
イーライリリー | 米国 | ヘルスケア | 1.4% | グローバルな研究開発型製薬会社。 |
テスラはあの著名なイーロンマスク氏が率いる電気自動車の会社です。株価が急激に上昇した事でも話題を集めましたね。
続いてマイクロソフトやアルファベットなど誰もが知る超巨大企業が並んでいます。
キャピタル世界株式ファンドの運用成績は良い?悪い?
設定来の運用成績とは
このような世界の大企業に投資をしてきた結果、運用成績はどうなっているでしょうか。
設定来の運用成績はこちらです。
(2022年6月30日時点)

参照:月次レポート
期間 | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 |
リターン | -1.5% | -10.0% | -13.4% | -4.8% | 56.0% | 77.4% | 299.7% | 100.1% |
設定日が2007年10月のため運用開始してすぐにリーマンショックが発生しており株価は暴落しています。
その後、14年ほどかけて株価は順調に回復しました。設定来で見ると15年で約2倍の成績となっています。
年率に直すと4.7%ほどのリターンです。これだけみるとすごく悪い訳じゃないですが、すごくいい訳でもないですね。
キャピタル世界株式ファンドはマーケットを上回る運用成績を目指すアクティブ型の投資信託ですのでマーケットとも比較してみましょう。
マーケットとの比較
世界株式の代表的な株価指数としてMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスがあります。
こちらに連動するように運用するeMAXIS全世界株式インデックスと比較してみましょう。
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) | |
キャピタル世界株式ファンド | -4.77% | 15.98% | 12.15% | 14.86% |
eMAXIS 全世界株式インデックス | 4.93% | 15.38% | 11.44% | 15.07% |
3年、5年、10年の運用成績で見るとキャピタル世界株式ファンドはほぼマーケットと同程度の推移となっています。
しかし、eMAXIS全世界株式インデックスファンドはインデックス型の投資信託ですので手数料が安いです。
年間0.1144%程度ですので、キャピタル世界株式ファンドとの差は
年間1.701% – 0.1144% = 1.5866%
にもなります。
仮に10年間運用して成績が同じだったとしても、単純計算で15.8%もの差がつくわけです。
さらに購入時の手数料が3.3%かかりますから、合計すると19.1%です。
あくまで単純計算ですが、キャピタル世界株式ファンドで10年間運用するとマーケットに連動したインデックス投信に19.1%も負けているのです。
手数料の分、損しやすくなってしまいます。
キャピタル世界株式ファンドの価格や今後の見通しとは
キャピタル世界株式ファンドの今後の見通しはどうなっていくでしょうか?
キャピタル世界株式ファンドの構成銘柄を見るとグロース株が多くなっています。グロース株は将来の利益を重視して投資される傾向にあります。
投資の中心となっているアメリカはインフレに悩まされており、今後金利が上がっていくことがほぼ確実です。
金利が上がると一般的に株価は下がると言われており、とくに将来の利益を見込むグロース株は株価が上がりにくいです。
これらの理由により、キャピタル世界株式ファンドの今後の見通しはかなり厳しいものとなっています。
まとめ
キャピタル世界株式ファンドについて分析してきましたが最後にまとめますね。
- 全世界の株式に投資するアクティブ型の投資信託
- 為替ヘッジあり/なし、分配金あり/なし、の組み合わせで4種類
- 米国大手運用会社のキャピタルグループが運用
- テスラやマイクロソフトなどアメリカを中心とした巨大企業に投資
- インデックスと同程度の運用成績であり手数料が高い分劣後している
- グロース株が多く今後の見通しは厳しい
手数料が高い割にはマーケットと同程度の運用成績であり、満足のいく結果は残してこれませんでした。
さらにアメリカの金利上昇を考えると今後の見通しも厳しいものとなっています。
調査した中で個人的におすすめの投資先は下のランキング記事でご紹介しています。運用先をお探しの方はぜひ参考にしてみて下さい。